ハーバード大学で学ぶベルギーのエリザベート王女、"留学生排除"のトランプ政権に「特別扱いはしてほしくない」。他の留学生と歩みを共に
大学側はすぐに憲法違反として提訴したが、エリザベ―ト王女に話を戻せば、大統領の通告に対して「ロイヤルだからといって特別扱いされるのは避けたい」として、他の留学生と歩みを共にすると話す。
「自分の特権を行使することは極めてデリケートな問題である」と承知しているのだ。つまり自分の下す決定は、アメリカとベルギーの国際関係にまで影響を及ぼすかもしれないときちんと理解しているのだ。
エリザベート王女は現在はベルギーに帰国したと言われているが、またアメリカに戻り勉学を進めるのか、ベルギーで学ぶのか、今後の選択が注目されている。
国王は“娘の成長を見守りたい”
今年6月、ベルギー王室は、フィリップ国王の誕生日にちなんで、国王のインタビュー動画を公開した。
国民から寄せられた2500件以上のメッセージの中から選ばれた30の質問の中に、「国王の譲位の可能性を問う」があった。
国王の返答は「エリザベートに、青春を楽しみ自分を成長させ世界を見る時間を持たせなければいけない。娘に必要な時間を与えるためにできる限りのことをする」というものだった。
フィリップ国王の父、アルベール2世は健康上の理由から79歳で退位を発表。自ら退位した同国初の事例で、それを受けてフィリップ国王は53歳で即位している。
そうした事情から出た質問だったと思われるが、明確な退位の予定は否定して、娘の成長を見守りたいという愛情あふれる絶妙な返答だった。
エリザベ―ト王女は国民の人気がきわめて高い。そして、両親の温かいまなざしの中で「その日」のために自分を磨き、今後も信頼を得ていくことだろう。
(ジャーナリスト・多賀幹子)
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