東大生の習い事は水泳とピアノだらけ⁉ 現代の子どもが幸せになるために必要な「親の“視野狭窄”からの解放」とは
さらに、東大など難関大に進学するほど選択肢は限られます。進学や就職など、選択肢は増えると考えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、「らしい」選択肢を求められるため、「らしくない」選択肢が逆に選びにくくなるのです。東大出身者が多い一流企業や官僚などでは溶け込めるかもしれませんが、職人や芸人の世界など、有名大卒が選ばない道を歩むには、一定の勇気が必要になります。
先ほどの例の女性は、充電期間を経て「やりたいこと」を見つけ、今ではプロのゲームプレイヤーとして活躍されています。ただ、「東大を出て、プロゲーマーなの?」と好奇の目にさらされるのもしょっちゅうだそう。それは、社会から「東大卒=エリートコース」と決めつけられているからでしょう。
「一流校➡一流大学➡一流企業」の黄金ルートは、絶対のものではありません。それが性に合っている人にとっては成功でも、そうでない人には枷になります。さまざまな職業が進路として認知されつつある現代では、勉強一本のレールに乗せるよりも、多様な経験を積ませて、可能性を探るほうが子どものためになります。
東大・早慶生を対象にしたアンケート結果
先日、東大・早慶生30人を対象に簡単なアンケートを取りました。内容は「自分の子どもには中学受験をさせるか、高校受験をさせるか」。どちらかに票が偏ることはありませんでしたが、興味深かったのは「自分が選んできた道と同じ道を選択する」傾向が見えたこと。つまり、中学受験を経験した方は中学受験をさせると答え、高校受験を経験した方は高校受験をさせると答えていました。
誰しも初めての子育てをする中で、自分や近しいものの人生をモデルケースにします。同じような価値観を持つもの同士で形成されたグループの中の情報交換なのだから、やはり同じような結論にたどりつくのも無理はない。すなわち、「自分は中学受験をした」と答えた方は、やはり知人友人に中学受験をした方が多くいらっしゃるでしょうし、そういった方からは公立中学校から高校受験する道の全貌がわからない。だからこそ、せめて明らかになっている自分の歩んできた道を、すすめたくなる。
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