東大生の習い事は水泳とピアノだらけ⁉ 現代の子どもが幸せになるために必要な「親の“視野狭窄”からの解放」とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だからこそ、中学受験に端を発する受験ブームは終わらないのでしょう。同じ地域の子どもより、隣の席のあの子より、少しでもいい点数、高い偏差値を取って、より「上」の学校へ進学させる。なぜなら、「高い学歴」の先には幸福が口を開けて待っているから。だから、放課後は塾に直行させて、勉強漬けの毎日を送ってもらう。今がつらくても、この先に「幸福」が待っているのだから。

エリートがうつ病を発症した理由

ところが、学歴が高いほど収入は上がっても、必ずしも幸せをつかめるとは限りません。

例えば、中学受験を経て桜蔭中学に入学したある女性は、東大に入ってから心身ともに調子を崩してしまったそうです。彼女は、中学受験でも、その後入塾した鉄緑会(高い東大進学率を誇る進学塾。学習進度の速さや課題量が多いことで知られる)でも、危なげなく責務を果たし、受かるべくして東京大学文科1類に合格しました。ここまで聞くと、完璧な「エリートコース」を歩んでいるようです。

しかし、彼女は入学後の主体性を求められる学びに順応できませんでした。大学受験までは、求められた勉強をこなせば褒められたのに対し、大学以降は自らの手で何をすべきか選択する必要があります。勉強自体は楽しかったそうですが、勉強以外にもさまざまな選択肢が見えてきて、その中でもあえて勉学を選び続ける意志を貫けなかった。その結果、彼女はうつ病を発症し、大学を休学することとなりました。

もちろん、これは極端な例を引用しています。すべての中高一貫校・進学塾出身者に主体性がないわけではありません。ただ、彼女と同じように、「勉強」が得意でも、主体的な「研究」を求められた際に、ギャップを感じて人生の迷路に迷い込んでしまう方も、やはり一定数いらっしゃいます。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事