Z世代は「文字」に"映え"を求める? 昭和回帰する自己表現のカタチ
Vlog風フォントは映画の字幕を連想させ、不思議とフィルム映画のようなレトロな雰囲気も感じさせる。
もともとZ世代の投稿は「♡」など絵文字のみでシンプルに済ませる傾向が強かったが、このVlog風フォントを用いることで、「かわいさ」や「エモさ」といった要素を加えることができる。
添えられた「幸運メッセージカード」
新大久保にある「Studio Cafe MARU」では、クローバーをモチーフにしたスイーツやドリンクが提供されており、若者を中心に話題を集めている。その中でも特に注目されているのが、クロッフルに添えられた「幸運メッセージカード」である。
カードには、「世界の基準に私が合っていないのなら、私が新しい基準になればいい」や「愛が深ければ、寂しさも深いものだ」といった、心に響く前向きな言葉が記されている。

このメッセージは、お店側の「言葉を通じて特別なひとときを届けたい」という想いの表れであり、訪れた人々にさりげなく感情を伝える手段になっている。カードを写真に撮りSNSに投稿することで、その言葉に共感した自分自身の心情も一緒に残すことができる。
事例①で取り上げた「igusaの手紙」も「幸運メッセージカード」も、お店からのメッセージとビジュアル性を組み合わせることで、Z世代にとって「心に残る体験」や「映えとしてシェアしたくなる感情」を生み出している。
今回紹介した「Vlog風フォント」「igusaの手紙」「幸運メッセージのカフェ」の3つの事例に共通するのは、「文字を通じて感情や想いを共有する」ということである。
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