牛カツ2社買収は英断か迷走か…カフェ座れない時代に“一人負け”のサンマルク。「パスタ」「牛カツ」などレストラン業態を拡大する切実背景
筆者は、たびたび「都内カフェ足りない問題」について言及している。特に土日は、都心部ではどこのカフェに行っても行列ができており、「さすがにカフェが足りなくないか?」と思えてしまう。
それほどチェーンカフェの需要が伸びているのだろうが、この背景にはコロナ禍でのリモートワークの普及や飲み会需要の低下によって、カフェの需要が高まっていることがあるだろう。
それは都心の話でしょ……と思う人もいると思う。しかし、郊外に目を転じると、そこはそこで「カフェ激戦」状態になっている。特に伸びが顕著なのが丸亀製麺を運営するトリドールHDの「コナズ珈琲」や、すかいらーくグループが運営する「むさしの森珈琲」。

コナズ珈琲については2025年3月期で、前年よりも営業利益が4億円以上上昇し、店舗数はまだ少ないものの、かなりの業績を記録している。多くの店舗はロードサイドに立地していて、平日/休日を問わずかなりの行列ができていることもしばしばだ。
また、すかいらーくグループの「むさしの森珈琲」については、すかいらーくグループ内の「ジョナサン」などを業態転換する例もある。事実、昨年期は、11店舗の「むさしの森珈琲」が業態転換で誕生している。
「鎌倉パスタ」が増えているサンマルクHDとは逆の動きを辿っていることがわかるだろう。

チェーンカフェで進む「寡占化」?
こうした状況をどのように捉えればいいだろうか。
一ついえるのは、カフェチェーンにおける「上位企業の寡占化」という事態だ。
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