≪プリクラ誕生30年≫市場規模は大幅減も「令和10代女子」の86%が利用! スマホで実現しにくい"雰囲気盛り"の進化とは?

令和時代もすでに6年が経ち、このところ「平成レトロ」がブームだ。
「昭和レトロ」が高度経済成長期や1980年代の世界観を楽しむのに対し、「平成レトロ」はアナログからデジタルに移行する時代性やポップな文化も支持される。
後者の代表例が「プリクラ」(※)だ。現在は「プリントシール」や「プリ」と呼ぶことも多いが、2025年は元祖プリントシール機『プリント倶楽部』(セガ/アトラス)の誕生から早くも30年の節目にあたる。
先月からSNSでは“平成一桁ガチババア”というネットミームがバズり、平成元年〜9年(1989〜1997年)に生まれた女性たちが、このハッシュタグとともに自分が昔遊んでいたものや流行っていたものを共有してタイムラインを賑わせている。この世代は、青春時代にプリを楽しんできた人が多いだろう。
プリントシールの市場規模は、最盛期の約1000億円から約2割まで縮小したが、現代においても若い世代を中心に支持され、街のゲームセンター や大型商業施設内では、景品が獲得できる「クレーンゲーム機」とともに目立っている。
昨年、筆者はその存在感を再認識した。取材で中学3年女子(仕事関係者の友人の娘)に撮影モデルをお願いした際、仲間内での遊びを聞いたら「プリ」と答えたのだ。
昨今では娯楽も増え、スマホも進化し多彩な写真が撮れるようになったにもかかわらず、なぜいまだに支持されるのか。シェアトップ企業に最新事情やブームの変遷を教えてもらいつつ、学生の頃に熱中した30代女性の視点も盛り込んで考察したい。
(※)「プリクラ」の言葉を生んだ『プリント倶楽部』(セガ/アトラス)は1995年7月25日にゲーム会社のアトラスから発売。その後、同社がセガの傘下に入ったため、現在「プリント倶楽部」と「プリクラ」は株式会社セガの登録商標だ。
機能の進化とともにさまざまな“盛り方”が登場
「プリントシール機の基本は昔も今も変わりません。最初に撮り方や背景などを選択し、撮影ブースに入って撮影した後、自分たちで画像を加工しカット数などを決めると、印刷されたシールが出てきます。ただ、その機能性や楽しみ方は、時代ごとの価値観に合わせて大きく変化していきました」
プリントシール機でシェア約9割(2025年3月現在、フリュー調べ)を占めるフリュー株式会社の平野奈央氏(管理本部 広報部 プロダクト広報課 課長)は、そう説明する。

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