アスリートの盗撮を禁止する「撮影罪」施行も、法の抜け穴をかいくぐり…女子プロレスラーを苦しめた“被害の全容”と盗撮者の“呆れた言い分”

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原告になった女子選手と、裁判に協力した若い選手は訴訟のなかで、強い不快感を示した。

「初めて気付いたとき、率直に言ってとても気持ち悪いと思いました」

「盗撮のようなものではないかと思いました」

陳述書には、カメラが気になって集中できずケガをすることへの不安のほか、学校の友達に知られたくないといった思いもつづられた。

プロレス
(撮影:日下朋子/ワールド女子プロレス・ディアナ)

選手側は、このように、ショーであって派手な衣装を着ているから「性的な写真の撮影や投稿は仕方がない」とする意見があることについても、キッパリ反論した。

「試合中の写真を撮られることと、性的な部分を強調する写真を撮られることは全く意味が違います。私はそのような写真を撮られたり、ましてSNSで公表されることなど全く望んでいません。このことは撮影者側でも少し考えればわかることだと思います」(ある選手の陳述書)

望まない撮影・投稿で競技を続けられなくなるおそれも

2023年に始まった「撮影罪」(性的姿態等撮影罪)では、競技中のアスリートの性的な部位を着衣の上から撮影する行為は対象とならない。

和解成立を受けた会見で、ディアナ側は「法律が追いついていない。もう少し法律が踏み込んでくれるとよいと思います」とうったえていた。

一眼レフカメラで撮影する男性
イメージ(写真:北村笑店/PIXTA)

未成年が民事裁判で原告になろうとする場合、現実的には保護者の協力が必要になる。団体は、このような問題が放置され続けると、親が子どものスポーツ参加に反対するきっかけになりうると指摘した。

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