アスリートの盗撮を禁止する「撮影罪」施行も、法の抜け穴をかいくぐり…女子プロレスラーを苦しめた“被害の全容”と盗撮者の“呆れた言い分”

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必ずしも撮影者と投稿者が同じという確証はなく、相手から名誉毀損を主張されるリスクもあったからだ。

団体には女子中学生も在籍している。不適切な画像がSNSに投稿されていることを不健全と捉えた多くのファンから、団体にクレームが届くようになった。

これまで観客の良識に委ねていたが、観戦中の撮影・投稿ルールをつくらざるを得なくなった。

指摘されても完全に画像は削除されなかった

問題の画像を投稿していたTwitter(現X)のアカウントに対して、団体側がDMで注意すると、法律違反ではないのに削除を強要されるいわれはないなどとして、いくつかの写真は消さなかった(のちにアカウントが凍結されて写真も消えた)。

団体は投稿者を開示請求で特定し、営業権と選手の人格権が侵害されたとして、対策にかかった費用など約800万円の損害賠償請求を求めて東京地裁に提訴。

訴訟のなかで被告の男性は撮影と投稿の事実は認めたが、ズームしていないなどと反論。弁護士ドットコムニュースの取材に「これは、えん罪です」と答えた(※)。

(※和解の内容には、男性が口外しないとの約束がされている。男性が取材に対応することについては団体側に話を通している)

被告の男性は、ショーとしての側面があるプロレス競技の選手は、露出の多い衣装で派手なパフォーマンスをしていることなどから「試合中の迫力を写真に収めるためには、選手たちの股間や臀部を収めた全身を撮影することが必要不可欠」と主張。

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