「うつ病には予防法がある。必ず助けになる」精神科医・和田秀樹氏が教える“幸せホルモン”を増やす5つの生活習慣

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■のんびり歩く程度の散歩をする

適度な運動をしましょう。特にリズミカルな運動が、セロトニンの分泌を促すとされています。ウォーキングやジョギングが望ましいといわれていますが、私は、のんびり歩く散歩程度で十分だと考えています。

散歩は、比較的歩くリズムが一定になりやすく、セロトニンの分泌を促すに足る動きです。

街の景色や変化を楽しみながら歩く散歩は、視覚刺激がセロトニンの分泌を高めてくれるうえに、脳の前頭葉の刺激にもなるので、おすすめです。何より、無理なく続けられるのがメリットでしょう。まずは3000歩ぐらいを目指して、楽しみながら歩かれたらいいと思います。

■映画や読書で感情を動かす

セロトニン神経の活性化には、感情を大きく動かすこともいいとされています。ただし、落ち込む感情は逆効果です。

話のネタが豊富な人との会話を楽しんだり、ドラマティックな映画を観たり、展開が激しいストーリーの本を読んだりというのは有効だといえます。テレビは不安をあおる情報ばかりなので、ダメです。観ないほうがましですね。

DVDを借りてきて映画を観たり、ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどで評判のいい作品を選んで観るといいと思います。

遠慮せずに、精神科医を頼る

このような予防策はかなり効果があるので、駆使してください。そして、うつ病だけは避けるのです。十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにすることも大切です。そして、おかしいと思ったら遠慮せずに、私たち精神科医を頼ってください。

『80歳で体はこう変わるからやっておきたいこと』
『80歳で体はこう変わるからやっておきたいこと』(興陽館)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

高齢者専門の精神科医をしていると、孤独や貧困、体の不自由さなどから、こちらが「これはとても治らないだろう」と思うような悲惨な境遇にあるうつ病患者さんが、薬が効いたことで、びっくりするくらいよくなるケースをしょっちゅう経験します。

「さびしさにも慣れてきました」「年をとるとは、こんなものなのでしょうね」などと言って、必要以上に落ち込まず、飄々とした態度をとるようになるのも、めずらしくありません。

よくなっていく患者さんをみるたびに、私はやはり薬は有効だという結論にたどり着くのです。

抗うつ薬の効果は飲み始めて2週間後から出だすので、効果が出るまでやめないことと、やはり早期発見、早期治療が重要だということを、いま一度お伝えしておきます。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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