セロトニンの材料は、トリプトファンという必須アミノ酸なのですが、この必須アミノ酸というのは、自分の体の中でつくることができないので、体外から十分に摂らないとそれだけで不足してしまいます。
トリプトファンは、タンパク質に多く含まれています。とりわけたくさん含まれているのが、かずのこ、卵白、鰹節、大豆製品、乳製品(無脂肪のものは除く)、レバー、ナッツ類などです。
これらの食品を摂ることで、うつ病予防になるし、不安な気分も楽になります。また、イライラもしにくくなることでしょう。トリプトファンの多い食品をとることは賢明なことだと思います。
■コレステロール値は高めのほうがいい
さまざまな調査では、血中のコレステロール値が高い人のほうが、うつ病になりにくいことがわかっています。その理由としては、コレステロールがセロトニンを脳内へと運ぶ働きをしているからだろうと考えられています。
また、コレステロールは男性ホルモン、女性ホルモンの材料になり、老化を遅らせる働きがあるほか、免疫細胞の細胞膜の材料でもあることがわかっています。
コレステロールが多すぎると、動脈硬化を引き起こすリスクが高まるといい、医者はすぐに薬を出すのですが、それは考えものです。欧米のように、心臓病が死因のトップクラスの国はともかくとして、日本のように、ガンで死ぬ人が心筋梗塞で死ぬ人の10倍以上いる国では、むしろ、コレステロール値は高いほうが望ましいといえるからです。
セロトニンとともに、コレステロールも一緒に増やしたいなら、肉や乳製品が効果的です。
日光でセロトニンを増やす
■太陽の光を浴びる
セロトニンを増やすうえで、もう1つ大切なのが、太陽の光です。食べ物からだと、血中のセロトニン濃度は上がるのですが、脳内のセロトニンが直接増えるわけではありません。脳内のセロトニンを増やすためには、日光が欠かせないのです。
網膜に日光のような強い光が当たると、脳内のセロトニン神経が活性化され、脳内でセロトニンが分泌されます。人は、日光を浴びる時間が十分でないと、セロトニン不足を起こしやすくなるのです。
ある程度以上、トリプトファンを摂っている人であれば、日光を浴びるのは最も効果的な脳内のセロトニン増加法、つまりうつ病の予防法といえます。
セロトニンは夜になると、脳内でメラトニンという睡眠物質に変わるため、睡眠の状態もよくなります。日光を浴びるのは午前中が効果的です。
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