世界で折りたたみスマホ競争が激化。サムスンは初の廉価版Galaxy Z Flipを発表、シェア拡大を狙う

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ちなみに、FEは「Fan Edition」を意味する略語で、これまでサムスン電子は「Galaxy S24 FE」などを発売してきた。Galaxyシリーズのファンのために必要な機能を絞り込み、価格を下げて提供するモデルにこの名称がつけられる。

発表会では、より広いユーザーをターゲットにしていることが語られた(筆者撮影)

では、Galaxy Zシリーズ初のFEは、横折りのGalaxy Z Foldではなく、Galaxy Z Flipだったのか。その答えは、市場規模にある。横折り、縦折りの両方を展開しているサムスン電子だが、販売比率で言えば、圧倒的にGalaxy Z Flipのほうが多い。2023年に「Galaxy Z Fold5」「Galaxy Z Flip5」が登場した際の韓国市場では、予約の7割がFlipだったという。

Flipのほうがどちらかと言えば価格が安く、開いたときのサイズ感は通常のスマホに近いのがその理由だ。これに対し、Foldは価格が20万円を超えており手を出しづらい。閉じたときの厚みも、一般的なスマホよりあった。開くと小さなタブレットに近いサイズになるのはメリットだが、閉じたとき持ち運びやすさは通常のスマホには及ばなかった。

ガジェット好きに向けたFoldに対し、Flipはカジュアルさやファッション性を強調している。価格も相対的に安いため、市場規模はFoldと比べて大きい。写真はGalaxy Z Flip7(筆者撮影)

Galaxy Z Fold7では、徹底した薄型化によってこの課題を解決したものの、カメラなどの性能を最上位モデルとそろえたこともあり、価格は20万円を大きく超えている。Galaxy Z Foldシリーズと比べて相対的に価格が安くファッション感覚で持てるGalaxy Z Flipシリーズは、若い世代に受け入れられてきた背景もある。こうしたユーザー層も、Galaxy Z Flip7 FEとマッチする。

競争が激化するフリップ型の折りたたみスマホ

サムスン電子の中だけでなく、他社も縦折りの折りたたみ式スマホで攻勢をかけている。中でも、この形状のスマホをサムスン電子より早い時期に投入していたモトローラは、「razr(レイザー)」シリーズを武器に、国内外でシェアを伸ばしている。

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