世界で折りたたみスマホ競争が激化。サムスンは初の廉価版Galaxy Z Flipを発表、シェア拡大を狙う

1月に発表されたサムスン電子のフラッグシップモデルである「Galaxy S25」は、アメリカで約800ドル(約11万7000円)。折りたためない通常のスマホよりも100ドル高いが、ほぼ同じレンジまで価格を引き下げた端末という位置づけだ。通常のフラッグシップモデルを購入していた消費者に対し、近い予算で購入できるフォルダブルスマホという選択肢を示したと言えるだろう。
廉価版のため、チップセットの性能は上位モデルのGalaxy Z Flip7と比べると、やや劣る部分もある。Galaxy Z Flip7はサムスン電子製の「Exynos(エクシノス) 2500」なのに対し、FEは「Exynos 2400」を採用。Exynos 2500は3nmの製造プロセスを採用しているが、Exynos 2400は4nmで微細化が進んでいないため、性能ではやや劣る。

また、ボディは昨年発売された「Galaxy Z Flip6」の焼き直しだ。サイズや重量はGalaxy Z Flip6とまったく同じで、閉じたときのカバーディスプレイも形状は変わっていない。さらにGalaxy Z Flip6にはカラフルな本体色のバリエーションが用意されていたが、Galaxy Z Flip7 FEはブラックとホワイトというベーシックな2色展開になっており、コストダウンを図っていることがうかがえる。

メモリも8GBと少なく、ストレージの容量も128GBと256GBの2パターンのみ。2025年のハイエンドモデルとしては、控えめな性能と言える。一方で、Galaxy AIなど、ソフトウェアで実現できる機能は上位モデルと同じ。カメラも、Galaxy Z Flip7と画素数などがそろえられている。過去のモデルで採用していたボディを流用しつつ、廉価に仕上げたという点ではアップルの「iPhone SE」シリーズに近い位置づけと言えるかもしれない。
市場規模の大きなFlipをさらに拡大するためのFE
Galaxy Z Flip7 FEは、製品発表イベントで最後の1機種として披露された、いわば“隠し玉”的な1台だった。イベントでは、サムスン電子の担当者が「Flipの体験をより多くの消費者に解放する」と語られており、折りたたみ式スマホの拡大を担う製品として期待されていることがうかがえた。サムスン電子によると、一部の消費者には価格の高さが障壁になっていたそうだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら