食べていると、「まさに、野菜をおいしく食べるためのらーめんだ」と実感できる。沖縄・久米島沖でくみ上げた海洋深層水から作られた塩は優しい味わいだ。定番商品全てに載っている「8」のかまぼこは、石川県内の加工業者に頼んで作った特注品。紅白の色合いが目を引く。赤い部分にはパプリカやトマトなど赤い野菜から抽出した天然色素を使っている点でも野菜へのこだわりを感じる。
味噌か塩か──8番らーめんに見る“県民性の分かれ道”
富山県生まれ、在住の私は、野菜らーめんの4種類の味の中で、あっさりした塩がお気に入りだ。
増田さんによると、四つの味の売り上げを比べると①塩40%、②味噌35%、③醤油15%、④バター10%(2025年4月)とのこと。
ただし、北陸3県で違いがあるという。石川・福井は上記の順位だが、福井は塩が半分以上を占め、ぶっちぎりの1位である。また、富山のみ①味噌、②塩と順位が逆転する。
また、冬の寒い時期になると石川・富山では味噌の割合がより高まるそうだ。私もふだんは塩派だが、寒い日にすする味噌ラーメンのうまさには「やっぱこれだよな〜」となる。

そして、おすすめなのは野菜コーンバター風味らーめん(890円)の味噌味。後日、また8番らーめんに行きたくなり、自宅に近い富山市の安養寺店で味わった。バターの大きさに罪悪感を覚えつつも、スープで溶かしながら食べるとコクのある味がクセになる。コーンをすくう特製のスプーンには小さな穴が開いていて、一粒残らずすくい上げて食べきった。
そして、らーめんのお供に欠かせないのがこれ、8番餃子(6個、260円)。豚肉だけでなく鶏肉も入っていて味が重過ぎない。玉ネギ、キャベツ、ネギ、ニラ、ニンニク、ショウガなど野菜はすべて国産である。カリッと焼き上げた皮、ジューシーな肉汁、そこに野菜のやさしい甘みが重なる。まさに、何度食べても飽きない「これぞ王道」な味わいだ。
