能登地震で被災→全店舗再開で「懐かしい味が帰ってきた」 北陸で愛され半世紀の《690円らーめん》。「味噌か塩か」で県民性が出るワケ

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筆者が食べるのは、いつも野菜らーめんと8番餃子ばかり。ついつい定番ばかり食べてしまうので、長年親しんできた店なのに知らないことは多い。8番らーめんについてもっと知りたいと思い、運営元の「株式会社ハチバン」にお話を伺ってみることに。担当の増田さんから「それならぜひ、直営店の金沢駅店へどうぞ」とのこと。梅雨明け間近の6月下旬、同店を訪ねた。

8番らーめん金沢駅店は、金沢百番街あんと1階にある。5店舗ある直営店の一つだ。北陸新幹線の改札口を出て左手に折り返すと「あんと」の入り口がある。和菓子など土産物売り場が並ぶエリアを抜けた飲食店街の一角に、どんぶりがずらりと並んだショーケースがあるので、すぐ目に付く。

JR金沢駅の金沢百番街あんと入り口
JR金沢駅の金沢百番街あんと入り口
ショーケース
定番商品のサンプルが並んだショーケース

市中にある店舗は地域の住民がほとんどだが、駅中店は観光客やビジネスマンが多い。メニューはラーメン11種類、サイドメニュー8種類、セット商品11種類。

北陸で愛されて半世紀──“野菜を主役にした”690円らーめん

まずは定番中の定番「北陸のソウルフード」の野菜らーめん(690円)について紹介したい。キャベツ、モヤシなどの新鮮な野菜はシャキッとした歯ごたえがあり、スープからは野菜のうまみが感じられる。

聞けば、ひと手間かけた調理法に工夫があるらしい。野菜を強い火力で瞬時に炒め上げる際、フライパンを揺すり、焦がさぬようにし、スープを入れて野菜を煮込んだ後、スープだけを丼に移し、野菜だけを再び炒め上げてシャキッと仕上げてから麺の上に盛り付ける。

野菜らーめんの塩
野菜らーめんの塩。白湯スープで味は味噌・塩・醤油・バターから選べる
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