大塚家具、母・千代子氏が裁判で娘を痛烈批判 資産管理会社を巡り、まだ終わらぬお家騒動
「(娘の久美子社長は)父親を父親として、会長を会長として、扱っていない。自宅でも会社でも同じ。(そうした扱いは)ずっと前からだ」――。
10月19日、東京地方裁判所5階の526号法廷。大塚家具の資産管理会社を巡り、父娘が対決する法廷闘争の場に、大塚久美子社長(47)の母である大塚千代子氏(69)が証人として立った。千代子氏は、夫の大塚勝久前会長(72)をかばう一方で、娘の久美子氏を痛烈に批判。3月の株主総会でも、久美子氏を株主の立場から非難した千代子氏だが、この日も怒りが収まっていない様子が見えた。
今回の争いは、大塚家具創業者の勝久氏が、久美子氏によって実質管理されている一族の資産管理会社「ききょう企画」に対して、大塚家具の株式130万株を譲渡したことから端を発した。その代わりにききょう企画は、勝久氏に対し、15億円の社債(5年期限、年利1.5%)を発行。勝久氏は、社債が期限となった2013年4月になっても償還されないとして、同年10月に提訴に至っていた。
声を張り上げ涙ぐむ千代子氏
証人席に立った千代子氏は、グレーのスーツに眼鏡をかけてやや緊張気味にしながら、夫で原告の勝久氏とともに入廷。傍聴席には久美子氏と妹の大塚舞子氏が並んで座り、千代子氏の答弁に時折、憮然とした表情も見せていた。
原告側の弁護士による主尋問で、千代子氏は、償還の期限延長合意がなかったことを落ち着いて証言していた。が、被告側の反対尋問に移ると、声を張り上げたり、涙ぐむ場面もみられた。ききょう企画の役員についても、2014年1月に長男の勝之氏と自身が突如解任されたことを挙げて、「(久美子氏は)この5年間ずっとひどかった。特に3年前からひどい」と指摘。大塚家具の有明本社に、カメラとマイクが土曜夜に設置されたとして、「主人(勝久氏)の行きそうな場所につけられた」とも話した。
社債償還については、家族で集まる提案を何度もしてきたと主張。「(ききょう企画の社長で娘の)舞子はナイーブなので、けんかしたくなかった。私は言い争わないように、いつもビクビクしていた。とにかくみんなで集まりたかっただけ」とも話したが、尋問とかみ合わない場面も多くみられた。
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