大塚家具の「父娘バトル」、今度は法廷決戦へ 久美子氏はすすり泣き、勝久氏は声荒らげる
大塚家具の父娘による骨肉の争いに終わりが見えない――。
7月13日の東京地方裁判所5階の526号法廷。両者が相見えるのは3月の株主総会以来で、今度は法廷に舞台を移して直接対決が繰り広げられた。
今回の争いは、大塚家具創業者の大塚勝久前会長(72)が、長女の大塚久美子社長(47)が実質管理している一族の資産管理会社「ききょう企画」に対して大塚家具の株式130万株を譲渡したことから端を発した。その代わりとしてききょう企画は、勝久氏に15億円の社債(5年期限、年利1.5%)を発行。勝久氏はその社債が期限となった2013年4月になっても償還されないとして、提訴に至った。
口頭弁論に立った久美子氏はやや緊張気味。何度も手の汗をハンカチで拭う場面が見られた。この日、父・勝久氏とは一度も目を合わすことなく、「(父に)訴訟まで起こされるとは思ってもいなかった」「大塚家具の経営にいろいろと思うところがあり、経営にプレッシャーをかけたいのかなと思った」「親がつくった会社をみんなで守っていこうとやったことを親に無にされて残念というか情けない」などと主張した。
その後、ききょう企画社長で久美子氏を支持する妹の大塚舞子氏の口頭弁論に移ると、久美子氏は傍聴席最後方から妹を心配そうに見つめていた。舞子氏が「この訴訟の原因は大塚家具の内部のトラブルが原因。トラブルを解決すべく手段を持たないものが巻き込まれた」と、言葉に詰まり泣きながら訴えると、久美子氏も目をハンカチで押さえながら一緒にすすり泣く様子が見られた。
勝久氏は裁判官から注意を受ける
一方、勝久氏はこの場面でも動じる様子は伺えなかった。首を横に振ったり、身を乗り出しながら久美子氏と舞子氏の口頭弁論を聞き、この日最後となる自分の出番を待ち切れない様子だった。実際、自分の番では言いたいことを言いたくてたまらない感じだった。
勝久氏は「へりくつは大嫌いだ」「私は今、無職だ」「なぜ私を(大塚家具から)追い出すようなまねをしたのか」などと声を荒げて訴える場面があった。また反対尋問する弁護士の質問を遮って反論し、裁判官から「議論する場ではない」と注意を受ける場面もあった。株主総会の委任状争奪戦(プロキシファイト)で久美子氏に負けて会長を退いたが、意気消沈する姿はそこにはなく、元気そのものという印象だ。
勝久氏は現在も大塚家具の18%の株を握る筆頭株主であることは変わらない。一方、今回の裁判の舞台であるききょう企画は大塚家具の10%弱の株を握り同じく大株主で、株主総会では久美子氏を支持するなど、久美子氏にとって非常に重要な“票田”だ。
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