ヘアケア製品の「TSUBAKI(ツバキ)」などを手掛けるファイントゥデイのIPO準備が本格化、年内にも上場申請へ
ヘアケア製品の「TSUBAKI(ツバキ)」などを手掛けるファイントゥデイホールディングスが新規株式公開(IPO)に向け準備を本格化させている。事情に詳しい複数の関係者への取材で明らかになった。同社は昨年12月、東京証券取引所プライム市場への上場を延期した。
情報が非公開のため、匿名を条件に語った関係者らによると、ファイントゥデイは早ければ年内にも上場申請を行う方向で、証券会社と上場に向け準備を進めている。IPOの規模や上場時期などの詳細はまだ確定していないとも関係者は述べた。
ファイントゥデイの広報担当者はブルームバーグの電話取材に対し、事実関係についてコメントを控えた。
同社の上場は昨年12月、日本株相場の動向が原因で延期された。バリュエーション(企業価値評価)を巡って投資家と企業側の目線が一致しなかったことも延期の一因だと、事情に詳しい複数の関係者が明かしていた。当時の想定価格を基にした時価総額は2194億円、IPOで市場から調達する金額は約880億円となる見込みだった。同社のIPOが発表された昨年11月を起点にすると、東証株価指数(TOPIX)は直近まで約4%上昇している。
足元の国内IPO市場は他地域に比べ盛り上がりを欠く状況だ。4-6月期は11件、IPO金額は合計649億円と同時期のインドやオーストラリア、香港を下回る。1-3月期のIPO金額はJX金属が押し上げる形で4809億円だった。
ファイントゥデイは、資生堂の日用品事業を欧州系プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のCVCキャピタル・パートナーズが2021年に1600億円で買収し、設立された。ヘアケアブランドや「SEA BREEZE(シーブリーズ)」などボディーケアブランドの製造・販売を手がける。CVCはブルームバーグの取材に対し、現時点でコメントすることはないとした。
著者:田村康剛、Dong Cao、Julia Fioretti
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