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エンロン粉飾、内部告発者の過酷すぎる半生 危険人物のレッテルを貼られ再就職できず

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  • 伊藤 歩 金融ジャーナリスト
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──そして2度目にファストウ氏の下で働き始めたのは2001年6月ですね。すぐに不正に気づいたのでしょうか。

そうです。私の仕事は社有資産を値付けして売却し、資金を得ることだったのですが、すぐにラプター(飛ばしのためのペーパーカンパニー)のスキームで巨額の損失を隠していることに気づきました。

──2001年8月15日、あなたはトップのケネス・レイ氏に対し、不正を告発するメモを匿名で送ったわけですが、不正に気づいてすぐに行動を起こされたのではなかった様ですね。

転職先を探していたところだったのですが、8月14日にスキリングが突然CEOを辞任したことがきっかけです。

スキリング氏は2001年2月、会長に昇格したケネス・レイ氏に代わってCEOに就任していたが、それからわずか6カ月で「個人的な理由」で突然退任。レイ氏が再びCEOに就任した。

 

──ナンバー2の辞任ですから、当然社内は動揺したわけですね。

もちろんです。私は先を越されたなと思いました。そこで社内で何が起きているのか、トップであるケン・レイ(=ケネス・レイ)に知らせようと考えたわけですが、いきなり実名というのはリスクがあると考えて匿名にしました。

──懲罰人事を警戒されたわけですね。でも8月22日にはレイ氏に直接会って進言されたんですよね。

8月16日に全社ミーティングが開催されて、その場でケン・レイは正しいことを言ったのです。エンロンが尊敬される会社であるべきだということ、そのためには誠実であることが大切だと。だから少しでもおかしなことを感じているのであれば、自分に話してほしいと言いました。それで私はトップから正しいシグナルが出ているのだと判断し、自ら名乗り出ることにし、人事部門のトップ経由でケン・レイと会える場をセッティングしてもらったのです。

──あなたはレイ氏に対し、飛ばしの事実を知らせ、決算を修正するなど、適切な対応をとるべきだと進言されたわけですが、それは結局無視され、貴方は懲罰人事の対象になるわけですね。

そうです。もうファストウの下にはいられないと思ったので、異動を申し出たのですが、異動先は不本意なものでした。私の執務室はそれまでエグゼクティブフロアである49階にあったのですが、異動先の部署は16階。サラリーこそ従来どおりでしたが、業務内容は明らかに私の地位には見合わないものでした。会社に行っても何もやることがなかったのです。

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