近年の、MLBのこうした「日本マーケット」に対する強い傾斜に、日本側もかなり警戒心を抱くようになっている。
昨年の日本シリーズ期間、フジテレビが試合中継の裏番組で、MLBのワールドシリーズのダイジェスト版をぶつけてきたことに対してNPBは強い遺憾の意を表明して、フジテレビの日本シリーズの取材証を取り上げた。
「またフジテレビがやらかした」と世間は騒いだが、独占禁止法が禁じる「取引妨害」に当たる恐れがあるとして公正取引委員会がNPBへ警告を出した。これに対してNPBは「法解釈上明らかな誤りがあり、重大な事実誤認だ」と発表している。
NPBがMLBを商売敵として意識するのは当然ではあるが、今年3月の「MLB東京シリーズ」では、NPBは主催者の1つに名を連ねている。
MLBが日本市場に傾倒する背景事情
実は、MLBが日本市場に傾倒するのには、深刻な背景がある。
今年2月、MLB機構と「ESPN」は現行の放映権契約の残り3年を破棄することで相互に合意したと発表した。ESPNはMLBと2028年まで年5.50億ドルの7年契約を結んでいたが、巨額の契約に見合う売り上げが見込めないとして、早期の打ち切りを申し出たと報じられている。
数年前までESPNのMLBページは、MLB公式サイトに次ぐ詳細なMLB情報を掲載していたが、このところトップページからMLBの項目が消えるなど、明らかな異変が起こっていた。
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