中国では、2001年に北京五輪招致が決定し、2008年北京大会でも野球が正式競技として実施される見通しとなったことを受けて、翌2002年に中国野球リーグ(CBL)が発足した。MLBは用具を提供したり資金面で援助するなど、中国での野球の普及を積極的に支援した。
それもあって中国は2006年の第1回WBCから代表団を送り込み、国内リーグも発展しそうな様相だった。しかし2012年のロンドン五輪で野球が正式種目から除外されると中国の野球熱は急速に冷めていく。
アメリカを“宗主国”とするような関係
第1回WBCには、オランダ、イタリア、南アフリカからも代表チームが出た。しかし実際には、これらのチームの代表選手は、各国にルーツを持つアメリカ在住の選手だった。オランダ代表の中心打者は2013年の東北楽天ゴールデンイーグルス初優勝の立役者となったアンドリュー・ジョーンズだったが、彼はオランダ領アンティルのキュラソー島出身でオランダ本国とはほとんど関係がなかった。
また、オーストラリアには、2010年、オーストラリアン・ベースボールリーグ(ABL)が創設された。MLB傘下のマイナーリーガーも参加したが、観客動員は現在も2000人前後、MLB人気の拡大にはあまり貢献しなかった。
日本(NPB)、韓国(KBO)、台湾(CPBL)にはそれぞれプロ野球リーグがあり、それぞれの国の人気スポーツとなっていた。これらの国は、MLBがルールを改定すると1~2年遅れでそれに追随するなどアメリカを“宗主国”とするような関係だった。
このために、MLBは、直接市場に進出するのではなく、各国リーグと連携しながらのアピールにとどまっていた。
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