

それだけでなく、福岡市の繁華街である天神地区のサイネージでも、大谷翔平など日本人メジャーリーガーの活躍シーンが紹介されていた。

小さな話だが、6月に入って、日本人メジャーリーガーのイラストを描いたマンホールのふたが、選手の出身地の街に寄贈された。このふたはMLBが日本の鋳物メーカーに特注して作らせたもののようだが、MLBには日本社会、文化に精通したマーケティング担当者がいるのだ、と感心した。
今、MLBは日本を、アメリカに次ぐ有力なマーケットとして強く意識している。
それは今年3月、東京ドームで行われた「MLB東京シリーズ」でも明らかだ。ロサンゼルス・ドジャースを保有するグッゲンハイム・ベースボール・マネジメントの母体である投資会社グッゲンハイム・パートナーズがプレゼンティングスポンサーのこのシリーズは、MLBの公式戦2試合、ドジャース、カブスと阪神、巨人のプレシーズンマッチ4試合で行われたが、すべてのチケットが売り切れた。
入場ゲートでのチェックはMLB流、球場のスコアボードもすべてMLBスタイル。場外のグッズ売り場の売り上げも記録的なものになった。
世界的人気のサッカーとは異なる野球
MLBは、21世紀以降、その市場を世界に広げようとしてきた。世界中の国で人気スポーツになっているサッカーと異なり、野球は北米大陸と東アジアで主に盛んなスポーツだ。情報化の進展によりスポーツ市場の国際化が進む中、世界的なマーケットの拡大は、MLBにとって最重要の課題になっていた。
2006年、バド・セリグ前MLBコミッショナーがMLB選手会と共に始めたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、世界市場拡大を目指したものだ。それとともに中国、オーストラリア、ヨーロッパなどの野球団体に様々な支援を行い、野球の市場を拡げようとしてきた。
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