「SNSによる小党分立が加速したら」佐藤優と舛添要一が予測《7月の参院選》後の永田町。「無所属と政党公認では雲泥の差」経験者語る政党のパワー
安野さんが自身のグループを中心にして都知事選に臨んだのに対し、石丸さんの陣営では著名な財界人が支援したことが目を引きました。
「石丸はいい」とさまざまな著名人が推した
ドトールコーヒーチェーン創業者の鳥羽博道さんが後援会長に就いたのをはじめ、貸会議室運営で国内最大手企業であるティーケーピー社長の河野貴輝さんや、第二電電(DDI。現・KDDIの前身)を京セラの稲盛和夫さんとともに立ち上げた千本倖生さんらが、石丸さんの応援団に名を連ねました。
千本さんは第二電電を退社後、慶應義塾大学ビジネススクールの教授を経て、そのあとも携帯電話事業のイー・アクセス、イー・モバイル(のちのワイモバイル)を創業するなど連続起業家として名を馳せるいっぽう、公益財団法人(千本財団)を設立して留学生に経済的援助を行なう篤志家の顔も持ちます。
そんな面々が「石丸はいい」と本気で推したのです。
こうした著名人による支援と、本人およびネット民のSNSがあって、石丸さんに165万票をもたらしたのでしょう。しかし私は、そこにニヒリズムの影を感じます。
トゥルー・ビリーバーはもとより、ビリーブ(信じる)していない人たちまでも、なんとなくおもしろがって蝟集した。民主主義としては、すこし粗野な形だと思います。
その嚆矢は、立花孝志さんの「NHKから国民を守る党(以下、N国党)」になるでしょう。有権者は当初、立花さんが「NHKをぶっ壊ーす!」と叫ぶ動画をまるで漫画のように見ていましたが、次第に求心力が高まってきた。同党は2019年の参院選(第二五回参議院議員通常選挙。7月21日投開票)で国政政党になりました。
しかしその後、党名変更や内部分裂を繰り返し、現在に至っています。なお、立花さんのユーチューブ公式チャンネルの登録者数は76万人を超えています(2025年5月現在)。
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