見知らぬ相手から"誹謗中傷"を受けるリスクも…SNSで心を傷つける「5%の恐怖」から身を守る方法

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これは、大学の授業でもよく練習してもらうワークです。自分がどう評価されているかが気になってしまう学生は多くいます。それに対して、評価することに意識を向けることで評価される視線を意識しないように練習するのです。

これは、現代に限った話ではありません。大きくなる自意識を落ち着かせるために昔は何をしていたかというと、座禅を行ってきたのです。

「他者の視線」から心を守る技術

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かつてお釈迦様が悟りを開くときに座禅を組んでいたと言われ、それを禅宗の祖である達磨大師という人が中国で広めたのです。

達磨大師は9年間、ただ洞窟の壁に向かって座禅を組むという修行をしました。壁に向かって座り続けていれば、他者の視線はゼロですから、人と比べることもなく自分自身を見つめ、心を落ち着かせることができます。

ただし、ずっと座り続けていたために手足が萎えてしまって、とうとうダルマさんになってしまったという話です。

他人の視線が気になる方は、そんなエピソードを思い起こしながら、ダルマを買ってくるのもいいのではないでしょうか。

ダルマが壁を向くように置いて、手足がなくなるまで壁に向かって人の視線を遮断していた達磨大師のことを考えてみると心が自然と落ち着いてくると思います。他者の視線が、自分の意識を惑わせるものなのです。

となると、他者がいなければ落ち着くのですが、かといってほかの人がいないと寂しさを感じてしまうものです。寂しくない範囲で人間関係を保ちつつ、ほかの人の無駄な視線を排除していくことが必要ではないでしょうか。

齋藤 孝 明治大学教授

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さいとう たかし / Takashi Saito

明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞。日本語ブームをつくった『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞。著者累計発行部数は、1000万部を超える。テレビ出演多数。(撮影:長谷川博一)

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