【欧州の朝ごはん】スペインの「本気モーニング」は約1000円でお腹いっぱい!こだわり抜いた「至高のワンプレート」がコレだ@サンタンデール

いざ実食。
まずは、すりおろしトマトをのせる。ここまでだと、日本でも知られているスペインの定番料理「パン・コン・トマテ」(すりおろしトマトをパンにのせた料理)の完成だ。
トマトはオーガニックのものを使用し、毎朝すりおろしているという。固いパンの表面に、トマトの汁がじわりと染み込んでいく。酸味とうま味が口の中に広がる。

その後、大きめに盛り付けられたアボカドとイベリコ豚の生ハムをのせる。イベリコ豚はサラマンカ産だという。ひと思いにばくっとかじりつく。
上品に食べたいところだが、生ハムがにゅるりと歯に絡みつき、噛みちぎるのに少々苦労する。生ハムは1切れが大きく喉に引っかかりやすいため、細かく手でちぎって食べると安心だ。
周りを観察しながら食べていると、あっという間に皿が空になった。
パンデミックが変えたもの
新型コロナウイルスのパンデミックが終わり、観光客は戻ってきたが、以前とは様子が違うという。
「観光客は増えているけど、朝食にお金をかける人が減りました」
このレストランのあるカンタブリア州の観光客数は、2024年に210万人を超え、過去最高を記録している(情報元:カンタブリア州観光局)。過ごしやすい気温であることから、夏になると国内外から観光客が押し寄せるため、夏は稼ぎ時ではないのだろうか。
「毎朝、食べに来ていた人もいましたが、ずいぶん減りました。旅行や生活の中で節約したいとき、いちばん最初に削るのは朝食じゃないですか。スーパーでパンと材料を買えば安く済みますから。物価が高騰しても、一般的な給料は増えていないのが現状です。人々が外食で節約をしているんだと思います。なので、コーヒーだけ飲んで帰る人が多くなりましたね」
今回食べた朝食は、トーストが6ユーロ(約1000円)、コーヒーを合わせれば7.9ユーロ(約1300円)だ。一方、バルでの朝食は、簡単なトーストとコーヒーだと2.5ユーロ(約420円)で食べられる場所もある。北スペインの物価を考えると、高価な朝食と言える。
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