「ニュース番組に取り上げられるコツ、教えますよ?」 PR会社が密かに開催する「ニュース番組に出る」セミナーの"嘘"

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番組制作、取材
テレビ局の対応方針を踏まえて、企業はどのようにアプローチすべきでしょうか(写真:sasaki106/PIXTA)
企業の経営者は、自社のサービスや商品を広めるために奔走しているもの。しかし、中には「やらなければ良かった」と思うような誘いに乗ってしまうことも。例えば、PR会社が密かに開催しているという、「ニュース番組に取り上げられるようになるセミナー」は……。
PR戦略コンサルタント・下矢一良氏の新著『ずるいPR術』からお届けします。

報道番組はスポンサーの影響をほぼ受けない

あるPR会社が、ベンチャー企業の広報担当向けに「ワールドビジネスサテライトに取り上げられるようになるためのセミナー」なるものを開催していました。知り合いの広報担当から、そのセミナーの配布資料を見せてもらったのですが、事実とまったく異なる内容に驚愕してしまいました。

私が最も呆れたのは、「ワールドビジネスサテライトはスポンサーの競合企業は取り上げない。だから、自分の会社と同業がスポンサーに入っているようなら、諦めるように」という内容でした。

はっきり言いますが、『ワールドビジネスサテライト』のような報道番組で、スポンサーの顔色をうかがって、その競合他社のニュースを扱わないということは絶対にありません。

報道番組はテレビ局のなかでもある種の「聖域」であり、仮にトヨタがスポンサーだったとしても、他の自動車メーカーのニュースもふつうに報じています。

もし他の自動車メーカーのニュースを伝えないようであれば、偏った報道になりますし、確実に視聴者は離れてしまいます。そうなると、テレビ局にとって長期的に大きな損失となってしまいます。どこの番組がわざわざ、そんなことをするでしょうか。

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