「ニュース番組に取り上げられるコツ、教えますよ?」 PR会社が密かに開催する「ニュース番組に出る」セミナーの"嘘"

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テレビと言うと、「視聴率至上主義」だと思われています。たしかに視聴率は極めて重要な指標で、テレビの制作者はだれもが気にしています。ですが報道番組の場合、社内で評価される基準は必ずしも視聴率だけではありません。

視聴率を考える際にカギとなるのが、「間口」という考え方です。テレビで食に関する定番と言えば「ラーメン特集」でしょう。すべての人は、何かを食べて生きています。

そして麺類を嫌いな人は少数派でしょう。ラーメンの価格はだいたい1000円なので、平均的な収入があれば食べることができます。つまりラーメン特集は「間口が広い=視聴率が取りやすい」のです。

ニュース番組、なかでも経済報道の分野で、「間口が広い」取材対象というのは決まっています。代表的なものが、食や健康に関するビジネスです。ですが、ラーメンやダイエット法に関する特集ばかりを放送していては、報道の役割を果たすことはできません。

テレビ局は社員が「報道として意義がある取材テーマ」で、「ある程度の視聴率を取ること」を期待しています。この両立しにくい課題を“同時に”成立させるのが、テレビ局内で高く評価される報道番組の制作者なのです。

制作会社のスタッフとテレビ局社員のすみ分けとは

とは言え、こうした難題をこなせるのは、テレビ局内でもエース級の社員だけです。毎日の放送時間を、エース級の社員だけで埋めることはできません。低予算で、手堅く視聴率を取っていくことも、ニュース番組制作の実務では必要となってきます。こうした枠を制作会社のスタッフにまかせるのです。

一方、テレビ局の社員には少子高齢化問題、国や地方の財政危機、震災からの振興、最先端のテクノロジーなど、報道として硬派なテーマに挑戦させます。

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