親が「元気なうちは不動産を売らない」が引き起こす問題、解決に導く「発想の転換」。「元気で、余裕があるからこそできる」ことに目をむける

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ご本人が長生きするほど、また早く取り組むほど、その効果は大きくなります。短期的にはそれほど大きな差を感じなくても、10年、20年といった長いスパンで見れば、その差は大きく広がるでしょう。

資産の組み換えの一例

不動産を売却し、米ドル建・米国債運用型の保険に切り替えるという選択肢があります。このような商品を活用することで、不動産に代わる資産をより安全に、かつ効率的に運用することが可能になります。

たとえば、所有する不動産が次のような条件に該当する場合には、資産の組み換えを検討する価値があります。

・郊外で人口減少の影響を受けるエリアにある不動産
・固定資産税を払ったら利回りが1〜2%前後の駐車場
・築年数が古く、維持費がかさむ上に収益が減っている建物
・収益を生まない農地や雑木林

これらを売却し、別の不動産を取得するのも1つの方法ですが、全体の資産バランスを考えて、米ドル建・米国債運用型の保険に組み換えることも有力な選択肢です。

外資系保険会社米ドル建て・米国債商品例
(画像:『地主が知っておくべき 幸せな相続と不動産売却』)

たとえば、例1の商品は、年利4・51%(2025年1月1日現在)で毎年払い出しを受けることができます(毎月の払い出しを選択することも可能です)。

仮に本人が売却代金の中から1億円分加入したなら、年4 5 1万円(月37・5万円)の収入を得ることができ、年金以外の安定した収入源となります。この利率は10年間保証され、11年目に見直しが行われます。

米国債運用型の保険には、次のような利点もあります。

・不動産のような空室リスクや支出増のリスクがない
・地震や洪水などの災害リスクを受けない
・急な修繕費が発生しない(不動産は修繕費などの急な出費が多い)
・認知症対策にもなる(保険の場合、名義変更や契約者代理請求人制度を活用することで、本人以外の方が資金を引き出すことが可能)

これらの取り組みは、資産を単に「残す」だけでなく、収益を生む仕組みを構築することにもつながります。

結果として、家族全体の経済的安定を図りながら、次世代に豊かな未来を提供することができます。時間を味方につけ、計画的に行動することが、資産を最大限に活用するためのカギとなります。

地主が知っておくべき 幸せな相続と不動産売却
『地主が知っておくべき 幸せな相続と不動産売却』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
平田 明 エスクロー・エージェント・ジャパン信託 代表取締役

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ひらた あきら / Akira Hirata

大学卒業後、不動産開発会社を経て、2001年より不動産オークションの運営会社勤務。

2006年、地主が相続した事業用不動産(マンション分譲や戸建分譲、ホテル事業に適した広い土地、一棟収益など)の売却に特化したオークション事業を社内で立ち上げ、2年目に落札件数53件、落札総額72億円を実現。

2011年平田資産経営研究所株式会社設立、代表取締役に就任。東京、名古屋、大阪など、都市圏の相続不動産のオークションを多数手掛ける。2015年4月、相続不動産をより高値で、安全に、かつ円満に売却できる不動産オークションおよび不動産エスクローサービスを世の中に広げることを目指し、株式会社エスクロー・エージェント・ジャパンへ転籍。

2017年4月より現職。著書に『不動産を相場の3割増しで売る方法』(幻冬舎)

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