親が「元気なうちは不動産を売らない」が引き起こす問題、解決に導く「発想の転換」。「元気で、余裕があるからこそできる」ことに目をむける

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実家の相続
親が元気なうちは、相続の話は切り出しにくいもの。しかし、元気なうちだからこそ、できることもあります(写真:torizu / PIXTA)
「相続のとき、何も問題がないようにしておいて欲しい」「家族間でもめずに相続を終えたい」ーー。そう願っているのに「先祖からの土地だから」「今は困っていないから」と何も手を打てない状態になっていたりしませんか?
エスクロー・エージェント・ジャパン信託の代表取締役・平田明さんは、相続で家族間のトラブルを避けられるよう、「適切なタイミングでの不動産売却」を提唱。「売却で得たお金で、出費や負担が少なく、安定した収入を生む新しい資産を取得したり、公平に分けやすい状態にしておくことで、将来の争いの種を取り除けたり、より豊かでストレスが少ない生活ができるようになったりする」といいます。
平田さんの著書『地主が知っておくべき 幸せな相続と不動産売却』より一部を抜粋し、不動産の相続で問題化する「呪縛」について考えます。
本記事では「親が元気なうちは(目の黒いうちは)売らない」ケースをもとに、みんなが幸せになる相続について取り上げます。

【あわせて読む↓】

不動産の相続で生じる「不公平」、子どもを困らせる親の「勝手な」思い込み。《兄弟姉妹は仲が良いから大丈夫》で共有名義→トラブルの温床に

「先祖代々の土地だけに、安易に売るわけには…」、相続で直面《不動産を守り続けることの難しさ》。別の視点や発想の転換で問題を解決!

まだ「元気」だからこそ

「目の黒いうちは売らない」が引き起こす問題。これもよくある話かと思います。

不動産をどうするかを意思決定できるのは、登記名義人だけです。その登記名義人である親が「私の目の黒いうちは売る気はない」と意思表示したなら、配偶者や子どもの多くは普通、意見を言いにくいものです。

仮に何か言ったとしても話が通じないかもしれません。

しかし、そうした状況で特に問題がなければ良いのですが、次のような課題がある場合には注意が必要です。

●収支が悪く現金が少なく、両親とも長生きするなら心もとない介護で配偶者や子どもに過度な負担がかかる可能性がある
●このままでは、子どもが相続時に多額の納税負担を抱え、資産を維持できなくなる恐れがある
●相続時に家族間でトラブルや確執が生じるリスクがある
●子どもが最もお金を必要とする時期に、十分な支援ができない

こうした問題が懸念される場合も、「仕方がない」「どうしようもない」と諦めるのではなく、家族で話し合い、「別の視点」や「発想の転換」を取り入れることが、新たな解決策を見つけるきっかけになるかもしれません。

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