キャッシュレス決済界隈でシェア伸ばす伏兵《デビットカード》 “若者人気”があらわにする「日本社会への憂慮」とは

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先に書いたように、今どきの銀行では地方銀行を含めて、国際ブランド付きデビットとキャッシュカードの一体型の発行が増えている。

デビットカードにはクレジットカードのような審査がない。国際ブランドで支払う場合も銀行口座からの即時引き落としのため、残高の範囲でしか使えない。財布の中にある金額内で買い物するのと同じ感覚だ。

後払いのクレジットカードだと引き落とし時に残高が足りるか心配、という人にとってはデビットのほうが明快で管理しやすい。20代だと給料の額もそれほど高くないだろうから、振り込まれた給料の範囲で即時払いができて使いすぎずに済む、“お財布感覚”が支持されるのだろう。

デビットカードは高校生でも作ることができる

おおむね満15歳以上(ただし中学生は不可)ならデビットカードが作れるので、その点でもクレカを持てない層に向いている。Visaなど国際ブランド付きのデビットカードは、実店舗の加盟店のほかオンライン上の決済にも使える。また、このところ増えてきたタッチ決済対応店舗でも、カードに対応マークがあれば、クレカ同様にタッチで支払えるのも便利だ。

支払い額に応じてポイント還元やキャッシュバックもある。楽天銀行のデビットカードは、利用額100円につき楽天ポイントが1ポイントたまり、ポイントは支払いにも使える(ポイントをためるには事前に楽天会員リンク登録が必要)。

また、ドコモの買収で注目を集めた住信SBIネット銀行は、7月に新たなデビットカード(サービス開始時はスマホデビットのみ)の発行を開始すると発表。基本ポイント還元率は1.25%だが、月末円普通預金残高に応じて最大2.0%までアップするという。とはいえ、2.0%還元されるには残高1000万円以上が必要なので、かなり先が長そうだが……。

もちろん海外でも国際ブランドの加盟店で支払いができる。ソニー銀行のSony Bank WALLETの場合、自分の外貨預金口座から引き落としできたり、外貨を現地ATMから引き出したりすることも可能だ。

また、デビットカードはオンライン上で支払い限度額を設定したり、決済後にメールで通知が届いたりと、不正利用されても気が付きやすい仕組みを取り入れている(銀行によって設定できる項目は異なる)。上記のように海外でも利用可能だが、渡航等の予定がない場合は海外での利用を停止しておくのも不正対策となるだろう。

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