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失業状態からネットフリックスと協業するまでに成長した台湾の制作会社、躍進する映画とドラマのエコシステムをプロデューサーに聞く

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――こうした積極的な国際合作には、どのような背景がありますか。

私の作品は常に台湾社会の脈動と深く関わってきました。

今は危機感を持って国際合作の拡大を目指しています。今こそ台湾が自らのアイデンティティを見つめ直す時期にあり、それを物語という形で世界に届けることが重要だと感じているからです。

国際合作は価値の伝達であり、文化交流

かつては「台湾人」と名乗ることにためらいがあった時代もありましたが、今では自分たちの価値や考えを表現できるようになりました。TMSCなど半導体だけでなく、映画もまた台湾の「チップ」になれると信じています。

国際合作はビジネスを超えて、価値の伝達であり文化交流です。表現を通じて、「これが台湾人だ」と世界に伝えることが今の私にとって最も大切な使命です。

海外ではよく「君はタイ人?」と尋ねられました。そんな経験から、「自分たちのアイデンティティとは何なのか」と真剣に考えるようになりました。

たしかに私たちの作品は「華語(中国語)コンテンツ」の一部には違いありませんが、中国とは明確に異なります。その違いをどう表現すればいいのか。私は1978年生まれですが、私たちの世代にはそうした複雑な感情があります。

台湾という場所は、私たちにとって「母親」のような存在です。母親は何かを厳しく教えてくれるわけではないけれど、いつもそこにいてくれる。その存在に支えられて、「ほら、見て。こんな作品を作れたよ」と誇らしく届けたくなる。成長するには、一度は離れなければならない。でも最終的には、また戻ってきたい。そう思わせてくれる場所、それが私にとっての台湾です。

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