とにかく、自身は保守やリベラルだと考えている人たちの答えには共通点がある。「保守」と「リベラル」の概念をそれぞれ「安定」と「変化」の追求という意味で使っているという点だ。完全にまちがっているとはいえないが、すごく漠然とした主観的な答えだ。
この世界は「このままでいい」か「変わるべきか」
もう1つ質問してみよう。皆さんは僕たちが暮らすこの世界が、もちろん問題は多いけれどそれでも安定的だと思うだろうか、それとも問題ばかりで不安定だと思うだろうか?
世界という言葉じたいが漠然としてはいるが、とりあえずは抽象的な状態のまま置いておいて、答えてみてほしい。皆さんが考える世界とはどんなところだろうか?
保守とリベラルという概念は、経済体制がもとになっている。ここで質問を整理してみよう。
皆さんは新自由主義には問題があるけれど、それでも人類が見つけ出した最善の体制だと考えるか、それとも根本的な問題を抱えた、変わるべき体制だと考えるか?
政府の介入を批判して、市場の自由を重視する新自由主義が、現時点では最善策だからこれからも維持するべきだという立場は、いまの社会をそのまま維持しようという立場だ。僕たちはこのような立場を「保守」、もしくは「右派」と呼ぶ。
保守とは安定志向の人びとではなく、具体的に新自由主義を維持しようとする立場を指すのだ。どんなに新しいものや変化を追求する人でも、現在の新自由主義を擁護するとしたら、その人は保守派だといえるだろう。
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