手取りは月15万「空腹は無料のアイスでしのぐ」男性(57)が物流倉庫と菓子工場でダブルワークでも貧困ループから抜け出せない事情

✎ 1〜 ✎ 149 ✎ 150 ✎ 151 ✎ 152
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
今回紹介するのは、57歳の男性ナオキさん(仮名)。非正規雇用のダブルワークで毎月の手取り額は約15万円。バイク通勤の影響で腕が日焼けしている(写真:編集部撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは、ダブルワークのアルバイトで月に約15万円の手取りを得ている57歳の男性だ。

定時より早く帰される日々

仕事は何時に終わるのですか? 私の質問に対し、ナオキさん(仮名、57)は困ったような表情を浮かべ、こう答えた。「会社に行ってみるまでわからないんですよ」。

ダブルワークをしているというナオキさん。1つめの仕事はアルバイトとして働く物流倉庫勤務で、契約上は朝9時から夕方5時までだ。しかし実際には、当日の朝、「今日は〇時まで」と、定時よりも早い時刻を指定され、帰宅させられるのだという。

業務はピッキング作業で、時給は東京都の最低賃金と同じ1163円。こうした早帰りはその日の業務量が少ないという理由で、週2回ほど命じられる。午後2時半までのこともあれば、午後3時までのこともある。

【写真で見る】つつましく暮らす57歳のナオキさんの今の楽しみは……(全6枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事