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「国債消化」のために個人向け優遇措置が必要。市場からの国債買い入れ量を減らす日銀。安定消化先確保が求められる。

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日本銀行が保有する国債の新たな買い手に銀行や生保はなりにくい(撮影:今井康一)

中東情勢の先行きは不透明だが、一部には第2次石油ショック再来との指摘も出てきている。こうした懸念が現実になった場合、わが国でも、インフレ警戒とともに、長期金利の急騰リスクにも十分な備えを行っていく必要がある。その際に重要な点は、1つは、中央銀行が「インフレ期待」をよく監視し、コントロールすること。もう1つは、政府が国債の発行管理を適正に行うことだ。

財政収支の管理が重要

1つ目の課題については、第2次石油ショック時の日本銀行の適切な行動が、その後数十年間にわたる日本のインフレ率安定をもたらしたと高く評価された。日銀は今後の情勢次第では、インフレをめぐって歴史的な判断を再び迫られる可能性もある。

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本稿では2つ目の課題である国債の発行管理について述べていく。ここで最も重要なのは、国債発行量の抑制、すなわち財政収支の管理だ。物価高対策として一定程度の財政的措置は必要だが、それが財政収支の大幅な悪化をもたらすと、インフレ期待を急激に高めてしまうリスクがある。

この「一丁目一番地」の次に求められるのが、発行当局による適切な市場分析と、それに基づく最適な国債発行政策の実施だ。

市場が将来のインフレ警戒を強めると、イールドカーブにはスティープ化(長い年限の金利がより上昇すること)の圧力が強まる。これにより過剰なリスクプレミアムが発生する。当然、国債発行コスト、すなわち利払い費の急増を招くことに加え、株式市場なども含めて資本市場全体に大きな打撃を与える可能性もある。

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