日本銀行は3月19日開催の金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決めた。これは予想どおりの結果だったが、金融市場が最も注目していたのは、2月末に始まった中東情勢の緊迫化について、日銀がどのような評価をするかだった。
対外公表文の経済見通しに関する記述では、中東情勢の緊迫化による金融市場の不安定な動きと原油価格の大幅な上昇の影響について、「今後の動向には注意が必要」とした。一方、物価については、「原油価格上昇が基調的な物価上昇率の見通しに及ぼす影響についても、留意が必要である」と、景気、物価双方への配慮を示した。
「『展望レポート』の見通し期間後半には『物価安定の目標』と概ね整合的な水準で推移する」との記述や、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」との記述から、中東情勢の緊迫化後も利上げに向けた日銀の姿勢に変わりがないことをアピールするものとなった。
植田和男総裁のタカ派発言
会合後の記者会見で植田和男総裁は、先行きの金融政策について明言を避け慎重な言い回しに終始した。ただ部分的には利上げに前向きであることを示唆する発言や、次回4月の利上げを金融市場に想起させる発言もちりばめた。金融市場はそれらを、予想以上にタカ派と受け止めた。
しかし、こうした日銀の情報発信は、中東情勢の緊迫化で日本経済の先行きに不確実性が高まる中での早期利上げ実施を、必ずしも意図していないのではないか。日銀の狙いは、円安と利上げに難色を示しているとみられる高市早苗政権への牽制と考えられる。





















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