中東情勢は泥沼化しており、このままでは、今後数カ月のうちに日本ではさまざまな物資が足りなくなる可能性がある。また、原油価格も高止まりしている。日本が輸入する原油の指標価格となるドバイ原油とオマーン原油の3月中の平均価格は、ドル建てでは過去のピーク比10%程度低い水準にとどまったが、以前に比べると圧倒的に円が弱くなっているため、円建ての原油価格は過去最高を記録した2022年6月の水準を26%も上回った。
日本は液化天然ガス(LNG)の輸入価格も原油価格に連動した契約が多く、原油価格の動きは3カ月ほど遅れてLNGの輸入価格に影響を与える。つまり今後数カ月で日本のインフレ率はかなり上昇する可能性が高い。生活必需品を輸入に頼る国の通貨が弱くなるとこうした問題が起きる。
中東情勢に加え、今後は日本銀行がどの程度利上げを行うかも注目される。先物市場では今でも日銀が年内残り6回の金融政策決定会合で利上げを行うことを2回程度しか織り込んでいない。しかし、2回の利上げだけでは政策金利は1.25%止まりだ。インフレ率は3〜4%を軽く超える可能性があるため、その程度の政策金利では実質金利は今よりマイナス幅が拡大する。そうなると、当然円安が進行し、インフレ圧力はさらに強まることとなる。
22年の二の舞いになる
状況は22年にロシアがウクライナに侵攻したときと似てきた。当時は世界で高まったインフレの波に対抗するため、主要国の中央銀行は積極的に利上げを行った。一方、日銀だけが金利を据え置いたため、日本の実質金利は大幅なマイナス圏に突入し、他国との名目金利差が拡大した。その結果、円は大幅に下落することとなった。
イラン情勢の緊迫化を受けて、先物市場はほとんどの主要中銀が今年は利下げではなく利上げを行うとの予想に転換している。ここで日銀が積極的な利上げに躊躇すると22年の時の二の舞いになる。





















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