「これからは法的措置を講じる」≪リベンジ退職≫人事部が激怒した、もう穏便には済ませられないリアルな実態

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昭和の頃までの日本の職場は、「中高年男性正社員」を中心に一枚岩でした。しかし、近年、女性・外国人・派遣社員などが増えて、メンバーが多様化しています。フレックス勤務・在宅勤務が増え、働き方も多様化しています。

この極めてコミュニケーションが取りにくい状況で、いま多くの企業がコミュニケーション強化に取り組んでいます。コロナ禍以降のはやりは、管理職と部下が1対1で定期的に対話する1on1ミーティングです。

しかし、筆者が企業関係者から聞く範囲では、1on1ミーティングはまったく不評です。ある中間管理職は、次のように不満を述べています。

1on1ミーティングに不満が噴出

「9人の部下と毎週1on1ミーティングをする必要があります。準備・報告などを含めると、私の仕事の約半分が1on1ミーティングです。他の仕事が滞り、残業続きで、思い切り疲弊しています」(食品)

管理職の負荷が大きくても、コミュニケーション強化が実現すれば救われるのですが、部下はどういう受け止めでしょうか。部下も、1on1ミーティングを敬遠しています。

「大嫌いな上司と1対1で30分も話すって、拷問。1on1ミーティングのたびに、そろそろ会社を辞めようかと悩みます」(IT、20代)
「部下の悩みを聞くのがマネジャーの仕事って、まったく夢がないですよね。2年前に1on1ミーティングが始まってから、出世意欲がなくなりました」(素材、30代)

コミュニケーション強化で信頼関係を構築でき、リベンジ退職がなくなれば、たしかに理想的。なのですが、現実はなかなか難しそうです。

とすれば企業は、今後もリベンジ退職が多発することを前提に、リベンジ退職の被害が少なく済むよう業務のマニュアル化や情報共有を進める、法的に問題がある場合は毅然と対処する、という対策を徹底することが大切だと思います。

日沖 健 経営コンサルタント

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ひおき たけし / Takeshi Hioki

日沖コンサルティング事務所代表。1965年、愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。日本石油(現・ENEOS)で社長室、財務部、シンガポール現地法人、IR室などに勤務し、2002年より現職。著書に『変革するマネジメント』(千倉書房)、『歴史でわかる!リーダーの器』(産業能率大学出版部)など多数。
Facebook:https://www.facebook.com/takeshi.hioki.10
公式サイト:https://www.hioki-takeshi.com/
 

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