同時に真奈さんは自分自身の考え方のクセにも気がつきます。
「私は人に迷惑をかけることを過剰に気にするみたいです。たとえばスポーツチームのなかで息子がミスすると、『うちの子が申し訳ないことをしてしまった』と強く自分を責めてしまうんです。子どもはお互い周囲に迷惑をかけながら成長するものなのに、それを受け入れられないんですね」
父が残してくれた愛情と親子関係の気づき
そうしたある日、真奈さんのお父さんが亡くなります。
「父は寛容な人でした。活発でやんちゃな私をいつもやさしく見守ってくれて。私が子どもの頃、アトピーがひどかった私の背中を、私が眠るまでずっとさすってくれるような父だったんです」
お父さんが亡くなってから、その愛情を深く感じ始めた真奈さん。
「そのときに思ったんです。人はどうせ死ぬのになぜ生きるんだろうと。父は私たちに愛情というあたたかな思いを残してくれました。それが父が生きた証しだったんです。そう思えたとき、私も自分が亡くなるときには子どもたちに学歴とか地位ではなく、なにか思いを渡して人生を終えたいなと思ったんです」
お父さんの死は真奈さんに大きな気づきを与えたようです。

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