日産「サクラ」のライバルになる?韓国の軽車規格EV「インスター」日本市場を研究して作られた油断できない出来のよさ

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EVで気になる満充電での航続距離は、大容量バッテリーを積むボヤージュとラウンジでは458kmをマークする。日産「サクラ」/三菱「eKクロスEV」の約2.5倍だ。

グレードにより42kWhまたは49kWhの駆動用バッテリーを搭載する(筆者撮影)
グレードにより42kWhまたは49kWhの駆動用バッテリーを搭載する(筆者撮影)

日産「サクラ」/三菱「eKクロスEV」の上に位置する日本車のEVは、ホンダの「Honda e」が販売終了となったいま、設計の古い日産「リーフ」となる。インスターのクラスは空白だ。

しかも、最上級のラウンジでも357.5万円という価格は、同クラスのヨーロッパ製EVでは太刀打ちできない。ベースグレードのカジュアルは、モーターの最高出力とバッテリー容量が控えめになるものの284.9万円で、サクラのプライスレンジに入る。

小型EVの空白地帯に軽自動車EVに近い価格で販売されるインスターは、人気モデルとなるかもしれない。

日本が得意としてきた適応力も

輸入EVという視点で見れば、BYDが2026年後半に軽乗用車EVを導入すると発表しており、注目が集まる。

もちろん、日本勢が手を打っていないわけではなく、スズキはインドで生産するインスターよりひとまわり大柄なSUVの「eビターラ」を、日本で販売するという。ただし、現地で販売されるモデルのバッテリーはBYD製と報道されている。

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EVをコストパフォーマンスで見る限り、残念ながら日本は中韓に歯が立たなくなりつつある。我が国からインスターのライバルが登場する可能性は、低いといえるだろう。

しかも、インスターに乗ると、日本が得意としてきた相手市場へのきめ細かい適応も習得しつつあることがわかり、油断してはいけない相手であることを教えられた。

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森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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