「この時期の不調=五月病」と決めつけちゃダメ!朝起きられない、疲れが抜けない理由は”体”にある可能性も《病名や受診先を医師が解説》
●甲状腺の病気(機能低下症・バセドウ病)
甲状腺は喉仏の下にある蝶のような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌します。
このホルモン分泌に異常をきたした病気が、甲状腺機能低下症やバセドウ病(甲状腺機能亢進症)で、いずれもやる気の低下、疲れやすい、体重の変化、動悸、震え、不安感、不眠といった精神的・身体的な症状を引き起こします。
甲状腺が腫れるので診断が付く場合もありますが、診察では異常が見られない場合もあるので、血液検査をしなければ診断できません。甲状腺の病気の男女比は1:10で女性に多いため、男性では発見が遅れがちなので、注意が必要です。
血液検査は内科(一般内科、以下同)でもできますが、確定診断や治療は内分泌内科になります。
見逃されがちな男性の貧血
●貧血・ビタミン欠乏
鉄欠乏性貧血は月経のある女性に多く、およそ5人に1人が貧血ともいわれています。
貧血の原因は、とくに月経の出血が多いとか、食事が偏っているだけではありません。スポーツで汗をかくときに鉄が一緒に流れ出てしまうことも一因で、男性でも発症することがあります。
血液中のヘモグロビンの値を測定することで診断しますが、同時にフェリチンという項目を測定して、体内の鉄の貯蔵量を調べることも重要です。日本では検査会社によって男女でフェリチンの基準値が異なることが多いですが、世界的なコンセンサスは、男女とも30ng/mLが最低値とされています。
ベジタリアンやヴィーガンの人では、ビタミンB12の欠乏で貧血になることがあります。ビタミンB12は血液を造るのに必要なビタミンなので、貧血の原因となってしまうのです。
血液検査は内科でも可能ですが、治療は血液内科になります。
●閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
「眠っているのに疲れがとれない」「日中に強い眠気がある」場合、実は睡眠の質に問題があるかもしれません。
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