初夏のランチにガツンと涼感を味わえる栃木・鹿沼名物「ニラそば」を自宅で作る極意

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そばの特徴は香りにあります。今回使用した干しそばは、乾燥によって香り成分が揮発し、また生麺と比べると加熱時間もかかるので、お店で食べるそばと比べると香りが弱いと感じられることもあるようです。

では、どうするか。工学院大学先進工学部教授(当時)の山田昌治さんが著書『麺の科学』(講談社ブルーバックス)の中で、干しそばを事前に浸水させることで加熱時間を短縮し、香りを残す手法を紹介しています。

水につけておく時間はどのくらい?

著書で紹介されているのは「水につける」というだけでしたが、実際に試してみると水に浸ける時間が長いと麺の形状が崩壊してしまいました。麺の太さにはよりますが、10分程度がちょうどいいようです。10分経つと、手でつまむとちぎれてしまうほど柔らかくなります。

今回は干しそば160gに対して、300mlの水を注ぎました。そば粉が水に溶けているのがわかります(写真:筆者撮影)

浸水した麺を、沸騰した湯でゆでていきます。ゆで時間は袋に表示されている時間の半分を目安に考えればいいようです。

再沸騰するまで強火で加熱しますが、吹きこぼれやすいので注意(写真:筆者撮影)

初めのうち、麺に火が入るまではかき混ぜるのも控えましょう。火が通ってくれば麺にしなやかさが出るので、箸で混ぜても大丈夫です。浸水した分だけ早く火が通り、ややもちもちした食感に仕上がります。

本で紹介されている実験結果によると、そのままゆでるよりも20%ほど香り成分が多く残るようです。この20%の違いを感じられるか、あるいは誤差の範囲と捉えるか、確かめてみるのも楽しいのではないでしょうか。

樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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