「店員が元気よく歌う」→「待ってるこっちは恥ずかしい…」 一世を風靡するも、残り1店となった「コールド・ストーン」。衰退も"納得"の理由

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逆にいま、「わざわざ」と書いた通り、どこかコールド・ストーンは「一生に一度体験しておきたい店」のようになっている。

日常使いするには負荷が高い。そもそも最終日近くでここまで行列になっているのも「閉店するんだったら最後に一度、あのパフォーマンスを体験しておこうかな」と思った人が多いからではないか。

歌のパフォーマンスがどこかコールド・ストーンを「特別すぎる店」として遠ざけてしまった面がある。

看板
グランドフィナーレスペシャルメニューとして2種類のアイスクリームも売っていた(筆者撮影)
スタッフ
指定された具材を手際よく石の上にのせていくスタッフ(写真:大関まなみ)
フィナーレショートケーキセレナーデ
「フィナーレショートケーキセレナーデ」(写真:大関まなみ)

能動的なサービスは受け入れられづらい!?

私は仕事柄、さまざまなチェーン店を見て、日本に住む人がどのようにチェーン店を使っているのかを考えている。

そのとき感じるのは「能動的すぎるサービス」はなかなか受け入れられづらい、ということだ。特に全国に多くの店舗を広げるチェーン店の場合、この傾向は顕著になる。「人と関わらないで楽にサービスが受けられるから使う」という人も多いからだ。

コールド・ストーンは「能動的すぎるサービス」の極地だろう。人と積極的に関わるどころか、歌まで歌われてしまう。否応なく「能動的」に店舗体験に参加させられるわけだ。

ここでふと思い出すのが、サンドイッチ・チェーン「サブウェイ」のこと。サンドイッチとアイスクリームを同じように語るのはお門違いかもしれないが、おそらく消費者から見ればこの2つは同じ部類に属している。要は「自分から積極的に店舗に関わらないといけない」タイプの店だということだ。

サブウェイ
サブウェイの店舗(筆者撮影)
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