「刑務所を出ても再犯するかも」「GPSデバイスの装着を」愛する子がわいせつ被害…「服役後も加害者を追いかける」と決意した“親の執念”

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今回の事件は、男性が未成年のころから犯罪に及んでいることも特徴だ。

保護観察処分を通じて、男性には、母親による管理監督と「異性や子どもの身辺につきまとわない」という特別遵守項目が約束されていたはずだった。

しかし、実際には、母親は男性とAくんが互いの家を行き来することを承認していた。

母親は「男の子だから大丈夫っていう私の判断であいまいにさせた」「親として監視してなかった部分があった」と法廷で語っている。

男同士の性的行為の存在を知ったきっかけは、母親が持っていたBL(ボーイズラブ)書籍だったと男性は供述した。

裁判を起こして男性の足跡を追跡することを決めた

谷崎さんは、男性とその母親に損害賠償(慰謝料)を請求している。

男性に対しては、刑事事件の判決後に同じ裁判所が審理する「損害賠償命令制度」の手続きを利用した。刑事事件の判決から数カ月後には、請求通りに300万円の賠償を命じる判決が言い渡された。

男性の監督をまっとうしなかった責任があるとして、母親も裁判で訴えている。

谷崎さん(写真:弁護士ドットコム)

谷崎さんは、性犯罪事件の被害者家族になるという悲しい体験をしたことで「被害者が守られて、次の罪を防ぐためにはどうしたら良いか考え続けています」と話す。

谷崎さんと男性の自宅近辺には、幼い女の子がいる家庭もあった。「もし出所後に近所でも何かあったらいたたまれない」との思いを抱える。

裁判を起こしたのは、犯した罪の責任を金銭をもって償わせようとするだけでなく、相手の情報をある程度追跡する狙いもある。

谷崎さんは、刑事裁判の判決後、収容中の拘置所で、男性と2度にわたって面会した。

裁判の中で「出所後に名前を変える」という話が出てきたことで、その真意を確認すること。そして、責任を持って慰謝料を支払う覚悟があるのか確認することが目的だった。

男性は、母親のもとを離れ、地元を出て、名前を変えて暮らそうとしていると素直に語ったという。

男性の親族の存在や、出所後の行方にあらかた見当がつくようになり、面会にはメリットがあったと谷崎さんは話す。

「面識のない相手に襲われるような事件だったら、こわくて面会にいけなかったと思います。家族関係まで知っていたので、会うことにこわさはありませんでした」

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