アルブミンは肝臓でつくられているたんぱく質のひとつです。肝臓という臓器は栄養素の代謝に欠かせない働きを担っているのですが、アルブミンの場合は、血液中のさまざまな物質と結合して、栄養素を体の目的部位へ運搬するのを主な役割としています。
簡単に言うと、アルブミンによって栄養がちゃんと運ばれていれば、配達先の臓器が活気づき、アルブミンによって栄養がスムーズに運ばれなくなると配達先の臓器に元気がなくなってくるということ。
だから、血液中にアルブミンが多い人は各臓器がしっかり働いて元気モリモリになりますし、逆に、血液中にアルブミンが少ない人は各臓器の働きが落ちて全体に弱っていってしまうことになるのです。
すなわち、わたしたちが元気や活気を得るには「栄養を運搬する力」を高めることが非常に大事なのです。そのため、栄養の運搬を担っているアルブミンが血液中にどれくらいあるかが、その人の「元気度」の格好のバロメータとなるわけですね。
高齢者に多い「新型栄養失調」の指標にもなる
なお、アルブミンは栄養失調を見分ける際の重要な指標にもなっています。近年、高齢者を中心に食事量が落ちて低栄養になるケースが増えているのですが、そういう方は医療機関で血液検査をしてアルブミン値が低いと「新型栄養失調」と診断されることになります。血液中のアルブミンが少ないことが「栄養が全然足りていない」ということの証明になるのです。
また、アルブミンは筋肉量にも深く関係していて、アルブミンが十分に足りていると筋肉量が多く、代謝が高く維持されることになります。一方、アルブミンが少ないのは筋肉量が減っている証でもあり、あまりに低いとサルコペニアやフレイルなどの身体機能の衰弱が危惧されることになります。
さらに、アルブミンは「骨が丈夫か、もろくなっているか」「肌つやがいいか悪いか」「髪が元気か弱々しいか」「免疫力が高いか低いか」など、体のさまざまなコンディションにも影響することが分かっています。
まさに「元気指数」「老化指数」と呼ぶべきバロメータ。アルブミンが高いか低いかは、その人の体の健康コンディションがいまどういう段階にあるのかを把握する格好の目安となるのです。
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