「福岡ではウエストと2強→競争激化で低迷」うどんチェーンの「うちだ屋」。ホリエモン顧問の会社が買収した店は、一体どこが魅力なのか? 

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メニューは温かいうどんが「肉ごぼ天うどん」「全部乗せうどん」など15種、冷やしが6種。丼物・カレー・おはぎなど充実したラインナップは「資さん」と共通する。

見たところうどんの単品注文が少なく、セット・定食系の注文がかなり多い様子。芋焼酎「黒霧島」「赤霧島」などのボトルキープもOKで、「資さん」以上に種類豊富なツマミを数人でシェアして呑む人々も。

どうやら「うちだ屋」は、家族・グループでの来店や常連客の獲得といった施策には、めっぽう強いようだ。 

ただ、丼物のミニサイズがなく、「資さん」の「しあわせセット」に相当する、人気商品を網羅したセットもない。豊富なメニューの割にはカスタマイズの選択肢が少ないのは、今後の課題だろう。またグラス1杯で提供できるお酒の種類が極度に少なく、「一人呑み」需要をうまく獲得できていないようだ。

「うちだ屋」1号店・多々良店(筆者撮影) 
人気のカツカレー+うどんセット 

課題点は明確、ホリエモン改革で激変するか?

ただ、数店舗を巡った限り、解決すべき問題はありそうだ。

店内のボックス席や小上がり席は配置を詰めすぎて余裕がなく、メニューも「だし自慢」「カレーは一番人気・味自慢」という割には、どんな食材を使って、どう手間をかけているからスゴい!という、美味しさをSNSで言語化できる訴求が少なすぎる。

さらに、一部の店では「冷水をコップ数個に常温で汲みだめ(アイドルタイムで客ゼロなのに!)「新入りのアルバイトへの叱責が店内に響き渡る」などの場面もあり、閉店続きのチェーン店特有の停滞した空気感も、うっすらと見え隠れしている。 

ただ、業績が低迷した店にありがちな「調理の明らかな省力化・ずさんな商品提供」の様子は見られず、うどん・出汁の味や商品としてのバリューは、驚くほどしっかり保たれている。また各店とも古いなりに清掃は行き届き、フロアに細かく目配りができる店員さんも健在だ。 

山積みの改善点を伸び代と考えれば、「うちだ屋」はちょっとしたテコ入れで、勢いを取り戻せるかもしれない。「こむぎの」が得意とするフランチャイジー(協力企業)獲得に動くのであれば、いまの「うちだ屋」をどう改善していくかが見ものだ。 

続く後編の記事―第2の資さん?福岡のうどん店「全国進出」続く事情―では、「うちだ屋」を含む、福岡県のうどんチェーンが全国進出を進めている背景について考えていきたい。

宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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