20人に1人の割合でいるといわれる「サイコパス」。彼らはなぜ、どのように職場を「生き地獄」にしてしまうのか?

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それでも、誰かにサイコパスというレッテルを貼るのは気が進まないかもしれない。サイコパスは殺人犯や暴行犯だという先入観があるせいで、身近な人間をサイコパス呼ばわりするのは忍びないと思うのだ。

だが、あなたは正常な(つまり共感力をもっている)人であり、共感力をもつ人の脳には他人を信用する能力があらかじめ組み込まれている。そして他人をサイコパス呼ばわりしたくないと思うその気持ちこそが、サイコパスにつけこまれる弱点となる。

サイコパスに欠けているものとは?

サイコパスには、富や名声を手中にしたロックスターやSNSのインフルエンサーなど、私たちがむやみに賞賛する人たちと同じ特徴が多々あるため見分けがつきにくい。

さらに人事担当者、心理学者、自己啓発の専門家たちはサイコパスがとりがちな基本行動についてそれぞれの用語で説明しているうえ、てんでんばらばらの呼び方をしている――職場いじめの常習犯、ナルシシスト、ソシオパス、マニピュレーター、闇の共感者(ダークエンパス)、悪い上司などなど。

これらの呼称はいずれも、たったひとつの欠点をもつ人間を説明している。その欠点とは、「共感力の欠如」だ。

「この人はサイコパスだ」となかなか察知できないのは、最初のうちは相手がうまく取り入ってくるからだ。ところが時間がたつにつれサイコパスは徐々に本性をあらわし、あなたの人生を破壊しようとする。

まずはあなたの行動を細かく管理し、仕事に干渉する。次にあなたの成功を自分の手柄にして、自分の失敗はあなたのせいにする。秘密主義を貫き、職場の誰にも事態の全容を知られないようにする。職場の内外で派閥をつくって特定の個人をいじめたり恥をかかせたりするが、グループ全体にはその工作を見せないよう画策する。

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