
他人はみな自分に服従すべきヒツジ
サイコパスにしてみれば、自分以外の人間は全員、絶対的に服従する忠実なヒツジであるべきだ。
サイコパスは全知の羊飼いであり、意思決定ができる唯一の存在だ。したがってヒツジの意見など必要としていないし、求めてもいない。ヒツジはただ命じられたことだけしていればいい。
とはいえ、ヒツジが言うことをきくとはかぎらないので、アメとムチを使いわけて従わせる。その結果、数頭のヒツジは姿を消すかもしれないが、確実に追従させるためなのだから、その程度の損失は仕方がない。
アングリア・ラスキン大学のクライヴ・ボディ准教授が調査をおこなったイギリスの慈善団体のCEOは、議論など完全な時間のムダだと考えていた。
彼はいつも会議の前に「ディスカッション・プリント」なるものを用意していた。会議が始まると参加者たちは、きみたちはこのプリントを読んだかね、内容に同意するかねと、CEOから尋ねられる。参加者たちが同意すると、会議はいっさい議論をかわすことなく進行する。
異論を唱える管理職がいても、もう決まったことだと言われ、やはり議論はおこなわれない。
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