これは有名な話だが、トランプは天候までマイクロマネジメントしようとしたことがある。
2019年9月1日、トランプは「ハリケーン・ドリアンがアラバマ州を直撃する」と、誤った情報を伝えた。この情報を受けてアラバマ州の住民は警戒したが、米国立気象局はトランプとは正反対の声明を出し、アラバマ州に影響が及ぶことはないと訂正した。
だがトランプはそれから1週間たっても、自分が予想したハリケーンの進路は正しかったと言い張った。そして、当時のハリケーンの進路予想図まで用意した。ところがそこには黒い油性マーカーで、アラバマ州が入るように円が書き足されていたのである。
トランプはこの「シャーピーゲート」〔訳注 シャーピーというブランドの油性マーカーがあり、ウォーターゲート事件をもじっている〕への関与を否定し、気象局ではない機関がアラバマ州をハリケーンが直撃すると予想した地図を目にしたと言い張った。
そのような予報図は存在しなかったのだが、トランプはこの問題に固執し、ついには米国海洋大気庁(NOAA)に自分の主張を支持する無署名の声明を発表させた。だが、のちの調査で、ホワイトハウスの要求に屈したNOAAの長官が、科学的公正性の行動規範に違反したことが判明した。
アメリカ大統領は自分がミスをしたことを認められず、1週間も天気予報に執着し、ついには行政府から独立した機関を脅し、大統領の主張がずっと正しかったと発表させたのである。
ちなみに言っておくと、ハリケーン・ドリアンはアラバマ州を直撃しなかった。
「自分のアイデア」に固執する
トランプがハリケーンに執着したのは、これが初めてではなかった。
2017年、会合の席で専門家が「最終的にアメリカに上陸するハリケーンは、もとはアフリカ大陸の沖合で形成されます」と説明したところ、トランプは「なるほど。そういうことなら、ハリケーンを核爆弾で破壊すればいいじゃないか」と応じた。
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