このサイコパスCEOの支配欲はすさまじく、途中で疑問を口にされるだけで我慢ならなかった。ある管理職は、あなたの方針には賛成できませんとCEOに伝えたときの顚末を説明している。
いくらおまえが反対しようが、私が決めたことは絶対だと言ったあげく、CEOはこう付け加えた。「ボスは私だ。だから、おまえは私の言うことに従うのだ」と。
ところがその管理職は、そうおっしゃるならボスに従いますが、だからといってボスに同意しているわけではありませんと反論した。
するとCEOはテーブルを乱暴に叩き、間仕切りのないオフィスで「おまえは私に賛成しなければならん」と大声で言い捨て、荒々しく出ていったという。
オフィスを完全なる支配下に置きたいという欲求はこまごまとした事柄にまで及んだ。調査に協力した管理職は「毎日毎日、コントロールされていました。ささいなことにまでかならず干渉してきました」と報告している。
トランプ大統領のマイクロマネジメント
誰のことも信用できないのであれば、自分の望みどおりの行動を相手がしているかどうか、いちいち確認しなければならない。リーダーシップの専門家はこれを「マイクロマネジメント」と呼ぶ。
あなたが世界唯一の超大国の大統領になれば、ありとあらゆる分野の専門家にタスクを委ねることができる。専門家の力を借りれば狭い視野にとらわれることなく、世界最大の影響力をもつリーダーに求められる戦略的思考が可能となり、事態を俯瞰できるようになるのだ。
ところがトランプ大統領は任期中、とにかくマイクロマネジメントにこだわった。大統領専用機エアフォースワンの機体の色や模様にも口を出してきた。
メキシコとの国境間の壁のデザインにもうるさく、材質、色、ドアのサイズや数、鋼鉄製の棒の太さにまで指示を出した。
深夜に就寝していたエンジニアを叩き起こして、壁は威圧的でありながらいいデザインにしろ、色は黒にして熱を吸収させ、熱さのせいで登りにくくなるように工夫しろなどと、新たに思いついたアイデアを言って聞かせた。
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