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強烈な被害者意識から生まれたアメリカの行き当たりばったり関税政策、早くも逆効果噴出で支持率低下、日本の「抱き付き作戦」は長期戦が得策

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関税引き上げを、各国との交渉に使うカードとするブレーンも少なくない。

大統領に経済政策を助言する学者の集まりである大統領経済諮問委員会の委員長として重用されているスティーブン・ミラン氏は、「関税は世界からより有利な条件を引き出すための交渉上の手段だ」と公言している。

さらにミラン氏は貿易赤字解消にはドル高是正が不可欠として、ドル安を実現した1985年のプラザ合意のような新たな協定を提言した。この協定はフロリダの大統領の別荘にちなんで「マール・ア・ラーゴ合意」と名付けられたが、さすがに賛同者が少なく立ち消えになっている。

一部の政権幹部らは、関税引き上げを単なる交渉手段にとどめず、世界の経済秩序の転換に結び付けている。

日本との交渉の窓口となっているベッセント財務長官はかねて「ブレトンウッズ体制の再編が起きつつある。自分はその再編に関与したい」と主張している。ただしベッセント氏がどういう新たな国際経済秩序を描いているのかははっきりしないし、政権内で具体的な議論は行われていないようだ。

実はバイデン政権も問題意識は同じだった

実は現在の経済システムの限界や問題点はバイデン政権でも議論されていた。

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