倒産したエルピーダ、再建の支援先探しは難航必至

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年末年始以降、米DRAM大手マイクロン・テクノロジーや東芝などとの提携、経済産業省による再編シナリオが取りざたされたのもこのためだ。「この数カ月は金策のためだけに出社しているような状況だった」(坂本社長)。

銀行側も借り換えについて、日本政策投資銀行を通じた従来の支援スキームが実質的に維持されることなど複数の前提条件を提示。12月上旬には、公的支援に伴い協調融資を行った取引先4行(メガ3行と住友信託)が連名でエルピーダに書面を付している。しかし、再建案の軸となる提携交渉は進展せず、時間だけが過ぎていく。万策尽きたエルピーダは、4月の返済を前に倒産の道を選んだ。

逃げを打った経産省

問題は今後、再生を支援するスポンサー企業が現れるかどうか、だ。債権者説明会では申立代理人弁護士から「具体名は出せないが候補は何社かある」との説明がなされた。が、足元のDRAM業界で黒字を出せているのは、シェア45%を握る圧倒的王者、韓国サムスン電子だけ。09年には当時業界5位だった独キマンダが政府支援の合意を取り付けながらも結局は破綻。再生には相当な力業が必要なことだけは間違いない。

そもそもエルピーダはNEC、日立製作所、三菱電機がお荷物のDRAMを切り離すために作られたような会社だ。支援先として取りざたされる東芝も10年前にDRAMから撤退しNANDに転換。世界を見渡してもDRAM撤退は80年代半ば以降続く大きな流れだ。そんなDRAMをコスト高の日本で作るとなれば、なおさら分が悪い。

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